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現在、着々と参加店舗が増えている緑提灯。日本の食材50%を使用した店舗に緑提灯というユニークな発想は北海道の小樽から始まります。
その発端となった人気料理店から一つの緑提灯が灯る誕生秘話をご紹介します。
写真1:おいーっす開(小樽)
写真2:とんがらし(東京・宮益坂)

仕事の疲れを癒し、明日への活力と言えば「赤提灯」と相場は決まっていた。「いた」と敢えて過去形で書いたのは、最近、北海道ではその常識が崩れ始めているからだ。2005年春、観光客で賑わう小樽運河前屋台 団地に一つの緑の提灯が灯った。その提灯が 写真1 そこには「かき専門店」と「緑提灯第1号店」(後に札幌の本店と 統合)の文字が!横には、この店を作った札幌の「牡蠣と旬菜の店開(ひらく)」本店(札幌市中央区)店主の藤井さんが並ぶ。「開」は平成5年から札幌の狸小路界隈で地場の食材に拘る人気の料理店。「商品の半分以上が地場産品のお店を『緑提灯』でアピールしよう!」と言う緑提灯運動は、2004年4月に北海道農業研究センター所長を務めていた丸山清明所長のアイディアが出発点となった。
氏の狙いはこうだ。「北海道を旅行する多くの人は、北海道の自然を満喫し、北海道の食を堪能する、と思い込んでいる。しかし、自然は北海道そのものだが、食べている物の多くは外国製だったりする。その逆に、北海道で大量に作られる小麦の多くはうどんとして道外で消費される。原料生産よりも商品化の方が格段に多くの利益を生むため、利益の殆どは道外に流出している。北海道の人が北海道で利益を生み出さなければ、幾ら食糧生産基地と自慢しても、北海道自体は決して豊かにならない。」北海道が失っている利益は少なく見積もっても5000億円を下らない。

この構図は、全国の各地方の何処にでも当てはまると言うのだ。普通ならこの話を、「研究推進会議」や「道産品消費拡大戦略会議(仮名)」と言った会議で注意喚起をしてそれでお仕舞い。良くて、役所に「対策室」が出来て、パンフレットが各業界団体に配られて幕。ところが、この活動の光るところは、それを「赤い提灯を緑に!」と言う、非常に具体的な「サイン」として目に見える形を持たせたところだ。更に提灯には★が書き込まれていて50%以上地場産品(一つ星)から、60%(二つ星)、70%(三つ星)、80%(四つ星)、90%(五つ星)と順次差別化を設け、向上心を誘導することを忘れない。

生産者と消費者を結びつける「生消連携」の活動は、生協活動の根幹として発達し、既に多くの成果を上げてきている。しかし、今回の「緑提灯」運動のユニークさは、そこに「流通、小売り」を消費者の最も身近なところから巻き込んでいることだ。 活動範囲は、関係者らの異動に伴って、関東、東北、中部に飛び火し、全国各地の自称「緑提灯応援隊」の手によって更に増殖しつつ元気で豊かな地方を照らし始めている。今は、暗い巷に怪しく光る一縷の灯火かも知れない(写真2)。

しかし、運動の火の手は地方と地 場産品をこよなく愛する熱い人々の手から手、心から心と広がり、いつか蒼き燎原の炎と化す。私にはそれが確かに見えている。